紺色沿線

ダイヤ関連を中心に、相鉄について広く浅く。

《相鉄》 2021年春のダイヤ改正・朝ラッシュ編

土曜日、相鉄線ダイヤ改正が行われました。

そして昨日2021年3月15日が、新ダイヤで迎える最初の平日でした。

先日の記事では日中のダイヤを取り上げましたが、今回は朝ラッシュを取り上げていこうと思います。

いまのところSNS等では「混んでる」「改悪」という声はほとんど見られません。前回改正に比べ、上々の滑り出しなのではないでしょうか?

朝ラッシュについては日中ほど大きく変わったわけではなく、不便だった点をピンポイントで修正する形が取られました。それゆえ批判が少ないのかもしれませんね。

それでは、詳しく見ていきましょう。

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目次

  

池袋行が登場

一番話題になってたのはこれですね。今改正で、JR直通の池袋行が登場しました。海老名駅7時台末〜8時台発で、特急が2本、各停が1本の計3本が設定されています。

JR乗務員の技量維持

池袋行3本のうち、2本は相鉄12000系での運行です。相鉄車の新宿以北への定期での乗り入れは初めての設定になります。

相鉄線直通列車の羽沢横浜国大〜新宿間は、湘南新宿ラインの乗務員が担当しています。新宿から先の池袋・大宮方面の区間は、埼京線の乗務員が担当します。

今まで、相鉄から新宿以北に乗り入れる列車は全てE233系だったため、ほとんどの埼京線の乗務員は乗務員訓練以降、1年以上12000系に乗務していないということになり、技量の低下が懸念されていました。

そこで今改正では、新宿〜池袋を運行する12000系の運用を設定し、短い区間ながら定期的に12000系に乗務する機会を与え、技量維持を図っています。

相鉄発赤羽行は消滅

海老名7:55発で設定されていた特急赤羽行は池袋行に短縮され、相鉄発の赤羽行は消滅しました。いずれ復活しそうな気もしますが。

 

特急 横浜行が増発

横浜行特急の復活

直通開始前は1時間に15分隔 約4本設定されていた特急横浜行。前回改正で直通が始まると、ピーク時間帯はほとんどの特急枠は直通に食われてしまい、横浜行はほぼ消滅しました。

一方で、海老名・大和〜横浜の需要はとても大きく、横浜行特急の復活を望む声は大きく、今改正で増発に至りました。

増発されたのは2本、海老名7:33発と7:47発で、横浜行特急が全滅していた時間帯です。

直通特急を据え置きながら、特急枠を増やす形での増発です。実質的に本線の各停枠、いずみ野線の通特枠が使用されます。

海老名発各停横浜行は消滅へ

一部のコアな層から人気を得ていましたが、不評だった海老名発の各停横浜行。前回改正でピーク時間帯に約4本ほど設定されましたが、今改正で2本は先述の通り特急横浜行に、残りは急行横浜行に置き換えられます。

特急に置き換えられることで、海老名〜二俣川間の特急通過駅では若干の減便になりますが、設定から1年が経っても回避される傾向にあったため、特に大きな影響は出ないでしょう。

急行のほぼ全てが瀬谷で特急待避

ピーク時間帯の海老名〜二俣川間は特急:急行がほぼ1:1になり、全ての急行は瀬谷で特急を待避します。

基本的に海老名〜大和の客は特急に、瀬谷〜希望ヶ丘の客は急行に乗車することになり、遠近分離による混雑緩和が期待されます。

しかし、特急のうち約半分は直通列車で、海老名や大和では回避される傾向があります。横浜行の特急と、直通特急に抜かれる急行はすこし混雑するかもしれません。

 

通特 が端に追いやられる

湘南台での利用獲得」と「直通特急から横浜を利用したい客の受け皿」を目的に、前回改正で登場した新種別の通勤特急。平日に4本のみ、全て湘南台発での運行でした。

斬新な種別でしたが、わずか1期で最前線を退きます。

運行時間帯の変更

「平日に4本、全て湘南台発。」という点では変わりませんが、ラッシュど真ん中の運行から、6時台と9時台のオフピーク時間帯に2本ずつの運行に変わります。

相鉄側は「オフピーク通勤の推進」などとしていますが、これはあくまで表向きの理由でしょう。

通急に役割を譲る

通特は元々いずみ野線に割り当てられていた毎時約12本の枠からそのまま設定されたため、いずみ野線内の通過駅では朝ラッシュにも関わらず、毎時8本という本数になっていました。

このことに通過駅からの反発は大きい中、通特は湘南台での利用獲得にも苦戦しており、湘南台二俣川間で空気輸送状態になっていました。

同時に、コロナ禍で利用が減っており、いずみ野線内各駅に停車する通急の乗車率もそこまで高くありません。

これらの状況から、通急は通特同様に直通特急からの受け皿になれると判断され、新ダイヤでは通急が二俣川直通特急に接続するようになります。

湘南台での利用獲得」については一旦諦めたと見ても良いかもしれません。

鶴ヶ峰は減便

通特停車駅の鶴ヶ峰ですが、急行と特急は通過します。通特が本線特急・急行に置き換えられることによって、停車本数が減少します。

通特一本で済んでいたところが、「特急の前の各停に乗車→西谷で後続の特急に乗換」となり、ひと手間増えるので少し不便になりそうです。

いずみ野の各停接続はなし

旧ダイヤでの4本全ての通勤特急は、いずみ野で各停(1本のみ通急)と接続していたため、ゆめが丘・いずみ中央の利用者にも利用機会がありました。

が、今改正でいずみ野での緩急接続は廃止され、いずみ野線内では湘南台・いずみ野の利用者のみに利用機会が与えられます。

もはや誰得なんだかわかりませんが、端に寄せられ接続も減らされるこの除け者感は、廃止されたいずみ野線特急を彷彿とさせますね。

 

混雑の平準化に期待

前回改正では直通特急が予想を遥かに超える大滑りをし、本線の利用者が急行横浜行や、わずかに残った特急横浜行に集中し、一部列車に混雑がかなり偏っていました。

今改正はそのあたりも修正し、各種別ごとの担当駅がはっきりしたという印象を受けます。

特急横浜行

海老名〜大和各駅・二俣川・鶴ヶ峰・西谷の利用者を担当します。

海老名・大和〜横浜の速達性では貴重な存在になるため、この2駅からの利用は多いかもしれませんが、そもそもの勢力圏が狭いため、そこまでひどい混雑にはならないと思われます。

急行横浜行

停車駅である瀬谷〜二俣川の各駅と、二俣川いずみ野線の各停に接続するので、いずみ野線の利用者も担当します。

瀬谷〜希望ヶ丘は若干減便という形になったので、混雑が増す可能性がありますが、鶴ヶ峰と西谷にあえて止まらないというのが効果を発揮しそうです。

通急横浜行

停車駅であるいずみ野線の各駅と直通特急からの乗換客、鶴ヶ峰・西谷の利用者を担当します。

旧ダイヤでも二俣川直通特急に接続する通勤急行は1本のみ設定されていましたが、その混雑はかなりひどいものでした。今改正では横浜行の特急が増発するため、直通特急〜横浜の利用者は減ると推測され、あの列車ほどの混雑にはならないと思われます。

また、旧ダイヤでの通勤特急に比べ、本線特急通過駅の利用者は受け入れないため、ひどい混雑は避けられそうです。

直通特急

海老名〜二俣川間では特急横浜行が増発されるため、さらに利用は減少しそうです。西谷から先は変わらないでしょう。

 

おわりに

全体的に各種別・列車の役割がはっきりして、わかりやすく、使いやすくなったなと感じました。

旧ダイヤはかなり不備の多いひどいものでしたが、今改正でほとんど修正されたように感じます。

 

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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更新頻度低めですが、これからもよろしくおねがいします。

次回は夕ラッシュについてまとめる予定です。