紺色沿線

ダイヤ関連を中心に、相鉄について広く浅く。

《相鉄》 2021年春ダイヤ改正内容まとめ

2021年春に実施されるダイヤ改正の概要が発表されました。

前回改正はかなり大規模なものでしたが、連続で大規模改正を仕掛けてきました。

以前から発表されていた終電の繰り上げと、この状況下で利用が減少したことへの対応といった印象が強めです。

 

実施 は3月13日(土)

土休日ダイヤは3月13日、平日ダイヤは3月15日にそれぞれ改正されます。

直通運転を開始したことで、JRと同日での改正になります。何か新鮮な感覚ですね笑

 

日中 上下毎時2本ずつ減便

角席が埋まる程度、車両によっては貸切状態になっていた最近の日中の相鉄。他社同様、減便の方向に進むことになりました。

改正後の1時間あたりの本数は次の通り。

【上り】

 海老名 特急横浜行2 快速横浜行4 各停新宿行

 湘南台 各停横浜行

【下り】

 横浜 特急海老名行2 快速海老名行4 各停湘南台

 新宿 各停海老名行

停車駅変更等はないものの、日中はかなり大きく変わります。どこから取り上げようか悩みますが、順を追って書いていきます。

特急の減便・接続の見直し

前回改正でいずみ野線発着がなくなった一方、直通列車も含め毎時4本体制にまで拡充された日中の海老名発着の特急でしたが、結局従来どおりの2本に戻されます。

実質的に削られるのはJR新宿発着と横浜発着1本ずつの計2本で、改正後は横浜発着2本になります。が、削り方が少々複雑です。

海老名発着同士の二俣川接続

現行ダイヤでは4本すべての特急が二俣川で各停に接続しており、うち2本の横浜発着特急と接続するのは海老名・横浜発着の各停です。

これは急行1本で済む所をただただ各停と特急の2本に分けているだけの状態。それゆえ各停も特急も乗車率が低く、特に上りの場合、各停の乗客のほとんどが二俣川で特急に乗り換えていきます。

これらの実態・傾向から、この接続パターンを廃止して快速1本にまとめることで、実質2本の減便と効率化が図られます。

直通特急の廃止

日中の直通特急は海老名〜二俣川間で乗車率が1%を割り込むという空気輸送状態、そのくせ西谷で本線快速を待たせるということで、多方面からかなり不評な列車でした。今改正で直通各停に置き換えられます。

同時に、新設の直通各停〜横浜の動線を確保する必要が生じるため、本線特急が毎時1本増えます。

この一連の流れで、最終的に特急は現行比2本減の毎時2本体制となります。

 

いずみ野線の利便性低下

快速運転取りやめ

先述したように、本線で各停と特急を快速1本にまとめたことで、特急とともに各停2本分も失われました。特急を減らす分には問題ないのですが、各停を減らすと上星川天王町など、各停しか止まらない駅に最低限の本数(毎時6本)を確保できなくなります。この失われた各停2本分をいずみ野線に回したことによる皺寄せで、日中のいずみ野線の快速が各停に格下げされることになりました。

これによりいずみ野線の日中は全列車が各停になり、停車本数こそ変わらないものの、横浜に行き来する場合は、二俣川で海老名発着の快速か特急に乗り換えるのが最速ルートになります。

いずみ野線はかなり不便になりそうです。

 

急行は快速に格下げへ

ダイヤ上の扱いづらさ

前回改正で特急や快速が西谷を停車駅に加えた中、急行だけは西谷を引き続き通過とし、二俣川〜横浜間のノンストップ運転を継続していました。

しかし、急行は二俣川〜横浜間を10~11分で走破することができますが、同区間を特急は12~13分、快速は15分かける中でその兼ね合いは難しく、先行する各停に詰まってしまうことが多々ありました。すでに急行の扱いづらさは露呈しており、今改正で快速に格下げされることになります。

本線は賛否両論?

特急通過駅では、

【現行】急行2 快速1 各停2 直通各停

【改正後】快速4 直通各停

になり、急行の快速化で停車駅は増えるものの、横浜への直行便は1本増加、さらに現行の快速と違い西谷での直特待避もなくなるため、これを「良くなった」と捉える人もいそうです。

一方、急行の二俣川〜横浜ノンストップ運転は、詰まるとはいえ体感速かったですし、車内の動きも少なく快適でした。乗車率も良かったので、個人的にはとても残念です。てか快速がちょっと遅いんですよ。速い急行に合わせるか、2本くらいでいいから残してほしかった。

今後日中の急行が復活することはあるのでしょうか?

 

横浜は優等が若干減

新ダイヤでの横浜駅からの優等は、特急2本・快速4本、いずれも海老名行の約10分間隔毎時6本になります。現行ダイヤの特急1本と急行2本を快速に格下げし、快速湘南台行2本が削られた形です。

毎時8本から6本への減便になりますが、削られる快速湘南台行の2本分の枠は特急のほぼ続行で設定されていたため、特に大きな影響は出ないでしょう。

 

鶴ヶ峰優勝・西谷は使いやすく

現行ダイヤでの急行が快速に格下げされることで優等の空白が埋まり、鶴ヶ峰では快速4本と直通各停2本で10分間隔が構成されます。快速はそのまま横浜へ行きますし、直通各停も西谷で特急に接続するので、鶴ヶ峰では実質10分おきに対横浜の優等が来るようになります。また、毎時6本の各停も横浜まで追い越されることなく先行するので有効列車です。鶴ヶ峰での対横浜の有効本数は毎時12本になります。めちゃくちゃ便利になりそうですね。

西谷では停車する優等の本数こそ変わらないものの、鶴ヶ峰同様の理由で間隔が約10分で統一されるので、今より優等を使いやすくなりそうです。

 

30分サイクル化

直通が各停に統一されたことで、60分サイクルからきれいな30分サイクルにはなり、わかりやすくはなりました。一部駅で発生していた12分開きも改善されていそうです。

以下、公式発表からの抜粋です。

 

朝ラッシュ 地味だけど便利に?

前回改正では新種別の登場など目立つものが多かったですが、今回の改正ではそういったものはないものの、地味に大きく変わってきます。

池袋行が登場

朝ラッシュの直通列車に「池袋行」が設定されます。先日話題になっていた「相鉄・JR直通線の運行拡大」とはこのことだったのかもしれませんね。

池袋行になるのは、海老名7:55・8:12発の特急、8:19発の各停で計3本。また、7:55発の特急赤羽行が池袋行になることで、相鉄線内発の赤羽行が消滅します。

本線特急が増発

前回改正で特急が直通に割かれ、本数が減った朝の横浜行の特急。海老名・大和から横浜への通勤需要はかなり大きく、復活を望む声が大きかったようです。

増発されるのは2本、二俣川7:50前後の横浜行特急が全滅していた時間帯です。

実質的に本線の各停いずみ野線通特の枠を使用して設定されます。

本線各停は消滅

コアな層から支持を得ていましたが、不評だった朝の海老名発横浜行の各停。4本程度設定されていましたが、2本は先述の通り特急に、残りは急行に変わります。

二俣川以西の特急通過駅では若干の減便になりますが、各停は回避される傾向が登場から1年経った今でもあったため、大きな影響には出ないと予想しています。

後述しますが、削られた4本分はいずみ野線に回されます。

通特の運行時間帯といずみ野線のパターン変更

通特はもともと平日朝に湘南台発のみの設定で、1日わずか4本の運行でした。改正後もこの運行形態と本数は変わりません。ですが、改正で朝ラッシュのど真ん中から前後へと、朝の中で運行時間が変更になります。オフピーク通勤向けの種別になるそうです。

通特の湘南台発時刻は6:32 6:39 8:19 8:49。元々はラッシュど真ん中で走ってたわけですから、端に追いやられた感がありますね。また、いずみ野での各駅停車との接続もなくなります。前回改正で廃止されたいずみ野線特急と、なにか似た感じがします。

通特は元々いずみ野線に充てられていた毎時約12本の枠からそのまま設定され、通過駅へのカバーが全くありませんでした。結果、通過駅では朝ラッシュですら毎時8本という本数になってしまいました。

このことに通過駅からの反発は大きく、 さらに通特は湘南台での利用獲得にも苦戦しており、湘南台二俣川間で空気輸送状態になっていました。また、こんな情勢ですから、いずみ野線内各駅に停車する通急の乗車率もそこまで高くありません。

これらの状況から、通急は通特同様に直通特急からの受け皿になれると判断されたのか、通特の役割を通急が担う形でダイヤをずらし、本線から回ってきた各停枠も含め、いずみ野線は「通急・各停・各停」×4が基本パターンになります。

以下、公式からの抜粋です。

 

夕ラッシュ は優等増発・各停減便

前回改正で直通に枠を食われた横浜発の優等。1時間あたり12本から9本に減らされたことで、大混雑していました。その混雑を解消するため、今改正で優等の増発が行われます。

快速が3本/h増発

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公式の表が時刻・接続まで表記してあり、非常にわかりやすいのでそのまま引用させていただきました。現行より快速海老名行3本が増発されています。これによって混雑はだいぶ緩和されそうです。が、問題はこの快速枠の捻出方法。

接続等はもう少し後で書きます。

各停を減便

現行ダイヤでは9本/h運行されていた各停のうち、湘南台行の3本を快速海老名行に置き換えたのです。これによって、平沼橋・西横浜・天王町和田町上星川いずみ野線の各駅では、夕ラッシュにも関わらず6本/hとなり、日中と変わらない本数になってしまいます。優等で発生していた混雑が、こんどは各停で起こる可能性があります。

優等の本数回復は増発以外で対応できそうになかったので半分諦めていたのですが、まさかの展開でした。 

接続パターン

こちらも公式発表の図がわかりやすいので、抜粋して貼っておきます。

夕ラッシュ下りで瀬谷待避開始

ついに夕ラッシュ下りでも瀬谷での特急待避が始まります。横浜発の各停を、JRからの特急が追い越す形です。都心部から大和〜海老名の各駅への利便性の向上が期待されます。

一方で、横浜発の優等が増えたとはいえ、瀬谷以遠での有効本数は変わらないようです。

希望ヶ丘・三ツ境・瀬谷は本数増

この3駅へは、横浜からの急行・快速すべてが有効列車となり、現行に比べ利便性は向上しそうです。日中でなくなった海老名行快速の西谷での直特待避はこの時間に発生するようですが、本数増で単純にプラス評価だと思います。「本数が戻った」という言い方もできそうですが笑

いずみ野線は10分間隔毎時6本

各停湘南台行が1時間あたり3本、快速海老名行に置き換えられたことで、いずみ野線の夕ラッシュは毎時6本で日中と変わらない本数になり、利便性はかなり低下しそうです。

今回の改正はかなりいずみ野線に冷たいという印象です。

 

感想

全体的に皺寄せがいずみ野線に行ったという印象を強く受けます。

本線も日中の急行がなくなったことは不服だと思いますが、いずみ野線に比べれば全然ましです。12分開きがなくなった、横浜への直行優等が増えたあたりはむしろ高評価かなとも。

西谷・鶴ヶ峰あたりがやはり便利になってるなあ、と。

赤羽行も撮らないとね。

 

参考資料

https://www.sotetsu.co.jp/pressrelease/train/r21-07/

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。大急ぎで書いたので、ミスや間違ってる点があるかもしれません。

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