紺色沿線

ダイヤ関連を中心に、相鉄について広く浅く。

相鉄・JR直通線は鶴見駅に停車するべきか?

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横浜市鶴見区からJR東日本に提出された、相鉄・JR直通線の鶴見駅への停車要望。

私は相鉄沿線民なので鶴見は通過のままでいいと思うのですが、今回の記事では色々な視点でこの事を考えてみます。

 

鶴見区からの長年の要望

現状、鶴見駅にホームがあるのは京浜東北線のみ。鶴見区鶴見駅を通過してしまう中距離電車(東海道線横須賀線湘南新宿ライン)の停車要望を今まで何度も出していました。

しかし、中距離電車は鶴見からすぐの川崎や新川崎にすでに停車していること、湘南エリア〜小田原方面の通勤客をターゲットとしていることから、JRは否定的な反応を示し続けてきました。

そんな中で2019年11月、「相鉄・JR直通線」が開業。

相鉄・JR直通線は、相鉄本線西谷駅から分岐する新線 相鉄新横浜線の羽沢横浜国大から、隣接する貨物線横浜羽沢駅に乗り入れ、次の停車駅は武蔵小杉というルート。その先は西大井、大崎、恵比寿、渋谷、新宿と停車し、これも中距離電車同様に鶴見駅の横を通過していきます。

今回提出された要望では、鶴見区側は中距離電車の停車を半分諦め、この相鉄・JR直通線に的を絞る形になったようです。横浜・品川・東京方面へは現状の京浜東北線のみでも十分なため、渋谷・新宿方面へ向かう相鉄・JR直通線のみの停車は妥協ラインと言えそうです。

 

ない本数

相鉄・JR直通線は、1時間に朝ラッシュでも4本、日中以降は2〜3本とかなり本数が少ないです。

本数の少なさ、安定感の無さから直通線への移行を渋る相鉄線民はけっこう多く、流れを変えるには少し物足りない印象。

 

京浜東北線にメリット?

鶴見駅利用者がメリットを享受するのは明らか。ここでは鶴見停車による京浜東北線の他の駅へのメリットを見ていきます。

京浜東北線沿線から渋谷・新宿方面に出る場合、根岸線区間・東神奈川は大船か横浜で湘南新宿ラインに乗り換え、蒲田〜大井町の利用者は京浜東北線に乗り品川で山手線に乗り換え、川崎は東海道線から山手線に乗り換えるのが主流。

先述の通り、相鉄・JR直通線は本数が少なく、とにかく安定感に欠けるため、これらの駅での傾向は鶴見に相鉄・JR直通線が停車したとしても変わらないと思います。

消去法的にメリットがありそうなのは新子安のみとなり、京浜東北線へのメリットはかなり限定的になりそうです。

一方で、相鉄・JR直通線を経由しても横浜や品川を経由しても、相鉄における「横浜を経由するか」とは異なり、全線JRなので運賃が変わりません。よって、「時間が合えば鶴見経由を使う」という使い方もできるので、多少は利便性が上がりそうです。

 

相鉄・JR直通線の需要拡大

相鉄・JR直通線の1日の利用は約2万5000人程度で、当初の想定の半分を下回っている上、今後相鉄は東急とも直通するため、JR直通の利用はさらに落ち込む可能性も考えられます。

その中で鶴見に停車し、新たな需要を取り込めるという点ではありなのかもしれません。

現状かなり悲惨なので、鶴見停車じゃなくとも何か手は打ちたいところ。

利用が増えれば本数が増えるということも期待できますが、先述の通り鶴見停車での利用の大幅増は厳しそうです。

 

15分無停車

鶴見停車支持派がよく言うのが、「羽沢横浜国大〜武蔵小杉の15分無停車はつらいだろう。」というもの。恩着せがましい。

相鉄の朝ラッシュの急行は詰まりまくり、二俣川〜横浜間を無停車で15分かけています。(たぶん)15分無停車には慣れています。

先日の改正で日中の急行が快速に格下げされたのですが、これに対する否定的な意見は多く聞かれます。(自分を含め、)停車駅が増えることを好まない民族らしい。

 

工事が厳しい

最後に触れるものの、1番重要なのがこれ。

相鉄・JR直通線は羽沢横浜国大〜武蔵小杉で貨物線を走行するため、鶴見では貨物線にホームを新設することになります。

貨物線は旅客線と異なり24時間走っているため、終電後の作業ができず、その点で需要云々以前にかなり厳しいように感じられます。

 

わりに

鶴見停車のメリットはかなり限定的な上に工事は難しく、先日の川口駅の例を見てもかなり厳しいように感じました。

個人的には別に通過でも停車でも構わないんですが、JR直通は東急直通開始後にほぼ間違いなく利用が落ちるでしょうし、何か打開策は打ってほしいなと思います。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

更新頻度は低いですが、これからもよろしくお願いします。

 

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